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ガソリン価格高騰からの暗示

突然値上がりしたガソリン価格。山口市では、レギュラー146円/Lとなり、じわじわと生活に影響を与えだす。コストを勘案して外出を控えるなんて生活を送りたくないけど、少しでも目の前の支出削減を優先してしまうのが悲しいところ。

180円台なんて、4年前の価格高騰の再現となるのかと懸念しながら、その原因を把握。
・イラン制裁に伴う供給不安、金融緩和に伴う資金流入による、原油価格の高騰
・火力発電所向け重油生産優先による、国内ガソリン生産量の減少
・ガソリン輸出国の製油所修理による、商社の輸入減少


市場縮小に伴う国内製油所の精製能力削減は、国家主導により推し進められたところだけど、結果的にガソリン供給量不足を招いたなら、なんとも皮肉。まあ、国内需要の減少に伴う採算悪化は喫緊の課題だったから、市場原理に基づくM&Aを企業自身で決断できない日本では、相変わらず官が規制を盾に旗振り役にならざるを得ないのだろうが。

ガソリンなり、原材料を海外からの輸入に頼るリスクは、これからますます増えてくるだろう。中国によるレアアース輸出制限は、その初期に生じた一例に過ぎない。これから、それが基幹原材料であるエチレンや半導体に及ぶようになれば、全ての生産活動の停止、国家としての機能停止をもたらす。海外の国々が、日本のように律儀に安定供給の責任を果たすことはない。中東の原油がそうであるように、資源は政治の手段なのだから。

国家として自国のコントロールに限界があり、感情を契約に優先する、信頼に足らない東アジアの国々に、国家の存亡を委ねられるのか。コストに勝る安定供給は、国家として確保すべき戦略的な位置づけであるべきだろう。


これを市場原理に任せたなら、企業はコストを取るのか、安定供給を取るのか。

競争が国内だけであるなら、安定供給を優先できるだろうが、同じタイミングで危機が生じていない海外と競争する限り、コストを優先せざるを得ないだろう。新潟県中越沖地震をはじめ、リスクが生じる度に生産の分散が叫ばれるが、時間の経過とともに、台頭する海外勢力に対抗するため必ず集約によるコスト削減が選択された。それが今や、技術水準においてさえ日本と差がないとなれば、その選択を判断する時間さえ与えられない。流行り文句となったBCP(事業継続計画)は、多くの企業が海外生産拠点を含めて検討しているはずである。


とまれ、この度のガソリン価格上昇で分かったことは、金融緩和によりもたらされた世界経済の安定が、再びマネーの膨張を招き始めたということ。ホムルズ海峡閉鎖に伴う原油価格高騰を見越して、投資マネーが集中する。イスラエルによるイラン攻撃が現実味を帯びたなら、それは金価格へと流れるのだろう。

再び繰り返そうとしている、マネーの膨張。実体経済を伴わない資金の過剰供給により再び生み出されようとしている資産バブルにおいて、既に体力を失った世界経済は、当然その次に生じるバブルの崩壊に耐えられるのだろうか。信用を失った貨幣がもたらすものが、ハイパーインフレ。それも、世界同時の。処理者のいない経済破綻は、新たな秩序者を生み出すのだろうが、彼らが同じ世界を作り出すとはとても思えず、世界は新たなステージへと移るのだろう。

これからの景気回復がしばらく続き、各国が危機に備えるだけの体力を取り戻したなら、その最悪のシナリオは回避できる。ただ、数字だけの景気回復に矛盾が生じ、世界経済破たんの状況が現実味を帯び、思想や国民の声を背景に、それに対する世界統一的な対処が行われないなら、おのずとそこにたどり着くことは想像に難くない。


話を戻せば、つまりは、株価上昇を喜ぶうちは、ガソリン価格も落ちそうにないということ。この状況一つを捉えたなら、何も心配することはないのだけれど、これが、世界経済破綻のきっかけになりえるから、少々警鐘を鳴らしたところである。

高止まりが予想されるガソリン価格、なるほど、これはトヨタ・アクアが選ばれるはずである。まあこれも、トータルコストよりも、目の前の支出を憂う(つまりケチだが、近視眼的な)日本的発想、結局、日本を除いてハイブリッドカーは売れず、世界の潮流は高効率(低燃費)な小型ガソリン車に移りつつあったりするが。

燃費に難のある愛車ながら、この乗り心地はいくばくかのコスト削減より価値があると、(今後のさらなる値上げを見越して)本日ハイオクガソリンをフルで注ぎ、今後5年以上の所有を心に誓ったところだけど、これが高止まりするようだと心が折れるのも時間の問題かなと先行きを危ぶんだところで。

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