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桂木山登頂

山口県の山は、500m以下の山が多く登りやすい上、なだらかな山裾が続く生活しやすい地形から里の生活が山懐へと入り込み、里山を感じながらの山旅を満喫できることに特徴がある。中部山岳以上の山旅が約束されているとは、「山口県の山(山と渓谷社)」の弁。

なるほど、県北部の田舎道に迷い込むとよく遭遇する、こんな山奥にまでと、ひと山越えた後に突然現れる集落には、そういう理由があるわけか。

時は7月末、5月に続き、本年2回目(事前含むと3回目)の山登り。決して、山好きではない、むしろ、田舎にいて何もすることがないからと、週末の山登りに生きがいを見出すような生き方だけはすまいと心に誓ってさえいる。ひとえに、仕事の一環、義務である。

貴重な週末に山に登らなくてもと思うが、声をかけると集まってくれるから、幹事としてはありがたい。ゴルフやバーベキューと一緒で、仕事を離れた仲間同士のコミュニケーションの手段と思えば、なかなかの価値がある。組織の枠をこえた幅広い参加者による、時間と感動を共有する一体感で、仲間意識が生まれるから。

今回目指したのは、美祢市、白糸ノ滝を登り口とする「桂木山」。標高701.6mで、目安時間は1時間30分。登山口そばのキャンプ場に車をとめ、朝8時に登山スタート。

前回、三ツヶ峰は、登山ルートを確認するため、1週間前に事前登山を敢行するという念の入れよう。今回は、三ツヶ峰と比較し緩やかな山、登山経験者が2名いるという状況に安心し、山登りに関してはすべてお任せ。登山ルートもしっかりした山というし、まあ、間違えることもなかろうと。

登山開始10分、最初の分かれ道で、見事に違うルートを選択。「こっちじゃないか」という曖昧な判断に身を委ねざるを得ないのは、正解を誰も知らない山中では、経験者の発言が絶対だから。一斜面上った後にそびえ立つ鉄塔に、どうやら中国電力の工事用道路をたどってるなと思いつつ、まあ、行けるとこまで行くしかないかと山道らしき道を前へと進む。

しばらく人が通った跡のない山道には、倒木が道をふさぎ、草が生い茂り、珍客を警戒した蜂が一行を追回す。道に横たわるマムシは舌を小刻みに動かして威嚇し、道を覆うイバラが全身に棘を突き立てる。

予定時刻の1時間30分が経過したところで着いた山頂の石柱に彫られた文字には、三隅町の文字。どうやら、美祢市の山を目指し、隣の市のどこかの山の山頂にたどり着いたらしい。周りの景色も見られない鬱蒼とした山頂ながら、本当に合っているのかという不安とともに、道なき道の急斜面をかき分けようやく着いた先だけに、疲労困憊、もうこの辺りで引き返してはという気持ちが自然と表情に表れる。

地図もなく、現在地も分からなければ、致し方ない。あまりに準備不足、山をなめていたと反省するところだけど、ここで活躍したのが、スマートフォン。グーグルマップが指す現在地は、桂木山の少し北。これは尾根伝いに回り込んで進めば、桂木山まで出られるのではと。危うい素人の判断で、さらなる深入りを決断する。

荒れた山道をかき分けて進み、美東町、秋芳町、三隅町の三角点を発見した時には、確信に変わる。そこから、勾配の少ない尾根を縦走し、見事、桂木山正規ルートに合流する。正規ルートへの合流を確信した瞬間、桂木山の標識が目に入ったその時が、今回の登山の一番のハイライトだったかもしれない。山に響く歓声、自然と生まれるハイタッチ、目的の桂木山へ到着できる喜び、いや、なにより、あの酷い山道を戻らなくてよくなったことに安堵して。

katuragi6.jpg   katuragi5.jpg
左:とある山の山頂。1時間30分、過酷な山中を連れまわし、これで登山終了では、とても納得得られる雰囲気じゃなかったけど。
右:正規ルートとの合流地点。この先から歩いて来、この標識を見つけた時の喜びと言ったら・・・



合流地点となった鞍部から、いつまでも終わらない急坂をひたすら上り、計2時間30分かけ、無事山頂に到着する。北に日本海、南にカルスト大地が広がる景色は、なかなかの見応え。北辰妙見を祀る祠の傍らで食事を取り、充実感を覚えるひと時を過ごす。

katuragi7.jpg
桂木山、山頂の祠。北辰妙見菩薩=北極星を神格化し、さらに菩薩を本地とした権現を崇拝したもの。



katuragi1.jpg
北には、日本海を見渡せる景色が広がる。



katuragi2.jpg
南には、カルスト台地。ゴルフ場の様に、緑の草原が広がる。右奥には、セメントやカルシア原料となる良質な石灰石を採掘している石灰石鉱山。左奥には、山口市の峻峰・鳳翩山を見ることができる。



正規ルートを下り、その急な斜面に想像以上の難度を思うも、なによりしっかりとした山道で歩きやすい。危険な箇所もなく、長くもない適度な距離は、純粋に山登りを楽しめる手頃な山と言えるだろう。

結局、二つの山頂を制し、二度山登りを楽しんだ気分。その過程が過酷なほど、そこでの思い出は濃いものとなる。ゴールさえすれば、無事に帰ってこれさえすれば、どんな経験もすべてがいい思い出とは、まさに旅と同じだなと思いつつ。

そして、もう一つ旅との共通点。悩む前に、動け。さっさとスケジュールを組み、半強制的に、行動に移す。めんどくさい、週末に何かあるかもなんてぐずぐずしていたら、結局、何もしないままに休みが終わる。朝7時から家を出、昼過ぎには終わる行程は、その後の時間も有意義に使え、山を制したという達成感だけではなく、思った以上に充実した時間を過ごせる。周りとの関係性が薄れ、自由という名の堕落に陥りがちなこの頃の週末の過ごし方として、山登りは、自由な時間の有意義な過ごし方を気付かせてくれる経験であったりもする。たかだか年間に数回のイベント。学生時代のサークル気分で、楽しいイベントにしていきたいところ。


とはいえ、次からは、人任せにせず、もう少し研究して山に登らなければ。山ほど、恐ろしいものはなく、感覚という素人判断が生死に直結するところはない。例え小高い程度であっても、方向を失い、幾度か歩いた山から帰れなくなった話は、身近なところでも数多く聞く。判断に迷ったら引き返せ、臆病なほど慎重に決断する、これが山での正しいあり方だと確信する。

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