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トランプ氏から見る、今後の世界経済の推察

トランプ氏が次期大統領に決まり、選挙戦での奔放な発言から、彼の本心を捉えようと世界が躍起になる昨今。日本にとっては、通商や国防などの国益に、投資家にとっては、世界経済そのものを左右する、今後のアメリカの方策を推察する。


アメリカの2大政党、民主党と共和党に大きな価値観の違いはなく、どちらが政権を担っても政策に大きな変化はないと言われるが、それはアメリカにとっての話であり、日本を含む世界にとっては政権交代で大きな影響を受けてきた。

単純に言えば、内向きな姿勢で直接的な自国利益を優先する民主党と、外向きな姿勢で結果的に自国利益につながると信じ、世界利益を優先する共和党。

民主党はアメリカにとって最大利益となる方策を問答無用に世界に押し付けるもので、諸外国にとっては、それが自国の利益と合致すれば大いに有益だが、方向が違えば大きな不利益を受けることになる。周りを省みないわがままな対応から、民主党政権時のアメリカ経済は伸長し、国民は豊かになるが、世界は治安・経済ともに混乱することになる。

一方、共和党は世界の盟主として自国の犠牲を厭わない姿勢をもっており、アメリカにとっては少々の停滞を、世界にとっては安定と経済成長を享受できる。

過去の政権でも、自国利益を優先する民主党は、同盟や価値観の共有、過去の関係より、現実的な果実を優先し、アジアでは経済成長を享受できる中国との関係を重視し、通商交渉では日本に厳しい姿勢で臨み、世界の治安維持に距離を置くなど、(その後の外交努力で関係改善につなげているが、)日本にとっては全幅の信頼を置いて関係を築ける相手ではなく、いわゆる損得よりも義理・人情を優先する共和党とは相性がよく、手を携えて世界を牽引してきたものである。

そういう意味では、今後の共和党政権は、日本にとって同盟強化や経済連携など、これまで以上に強固な関係が築ける土壌が整い、直接・間接的な国益への寄与が期待できるのだけど、トランプ氏という個の存在が、それを不安化させている。

その不安を解消するため、マスメディアや識者は、過去の過激な発言など、小さな事象を捉えてトランプ氏の思考や価値観を推察しようとしているが、それでは彼の本心にたどり着かない。その発言に至る、彼の思考の原点は何かを推察して考えると、彼の目指す世界が見えてくる。


彼は、共和党員であり、保守的な思想、レーガノミクスに象徴される経済成長を目指すところに、彼の目指す世界がある。

それはつまり、新興国が台頭する前の、G7をはじめとする先進国が経済、社会をコントロールする世界。

アメリカ経済が再び成長路線に突入したのも、日本経済が停滞を始めたのも、アメリカがグローバリズムを推進したことによる。かつては、先進国だけで富を分け合う仕組みが完成し、先進国と途上国の間には、絶対的な貨幣価値の差が存在していた。途上国が追いつけない圧倒的な投資力と高い研究・開発力、高い技術力を持つ優秀な人材で製造する、先進国の中で高品質・低価格の日本製品は、十分な付加価値(利益)を乗せて、先進国の国々で販売され、国全体に大きな経済成長をもたらす十分な利益をもたらしていた。その仕組みを崩したのが、グローバリズムであり、先進国という経済規模は大きいがプレイヤーが限られ、これまで以上の拡大に限界があるパイではなく、一国の経済規模は小さいがより多くのプレイヤーが参加し、全体でこれまでの数十倍、数百倍のパイに拡大できる、新たな経済の枠組み。そこで減る、一度の取引当たりの売上・利益ではなく、規模を大きくすることで極大化する全体利益を優先する。その仕組みの根幹に自国・アメリカを据え、規模の小さな国を商品・サービスの販売先として取り込むことで、アメリカは富を一極に享受し、先進国への商品供給拠点であった日本は、経済規模の拡大で大規模投資が可能となった、コスト競争力の高い途上国との熾烈な競争に巻き込まれていく。

この20年、日本経済が停滞していたのは、人口減少社会に突入したからでもなんでもなく、世界経済の仕組みが変わり、その影響を最も受ける役割を担っていたからに過ぎない。

グローバリズムにより経済成長を遂げたアメリカも、商品供給拠点という面では、日本と同様、途上国との競争に巻き込まれ、大きなダメージを受けた。それは、日本と同様、サービス産業を主体に経済規模が拡大する都市部ではなく、国内の中で、安価な土地、安価な労働力により、コスト競争力の高い生産拠点として存在していた地方都市でのこと。


貿易協定を見直し、安価な外国製品の流入を防ぐ、アメリカ国内での製造業回帰を目指す、メキシコから安価な労働力の流入を防ぐ、つまりそれは、グローバリズム前の、先進国社会に戻ることを指す。

この施策を突き詰めると、自国以外の製品には高関税が付されることになり、高関税による高価格でも、自国製品を押しのけて売れる製品しか、海外市場では売れないことになる。

日本にとっては、20年かけて、ようやく基幹部品、高付加価値製品は国内で、価格競争製品は海外でと棲み分け、日本製造業の存続するバランスをとったところでの方向転換となり、これまでの海外投資を考えると大きな打撃を受けることになるが、純粋に日本経済だけを考えると悪い方向ではない。高付加価値製品に相応の対価を払う仕組みが復活し、技術力の高い日本製品が再び世界の潮流となる可能性を秘める。

一方、汎用品を低価格で製造するだけの途上国は、製造業が一気に壊滅状態に追い込まれることになる。

果たして、そのような世界経済の逆流を、本当に実現しようとするのか。アメリカ製造業の復活は、グローバリズムの崩壊、つまり世界経済の崩壊、アメリカ経済の衰退をもたらす。そして、世界経済の崩壊は、世界的な治安の不安定化ももたらす。

アメリカの政策は、世界の仕組みを変え得るからこそ、過激な取り組みは様々な面に波及する非常に大きなリスクを合わせ持つ。

彼の今後の発言が、今後打ち出される施策が、これまでと変わらないなら、この視点をもとに分析すると、今後の世界の進む方向を推察することができるだろう。

ただ、過激な発言をしているようで、実は、かつてのアメリカ国内が繁栄した時代の郷愁にかられているに過ぎないことが分かる(今は、経済規模ではかつてよりさらに大きな繁栄を迎えているが、その利益がグローバル展開の一部企業に留まり、国民にいきわたらないという日本と同じ状況に陥っている)。上記は極論だけど、その手法は、世界経済とのバランスを考えた、アメリカ国民が納得する形でのルール変更になるのだろう。

実は、この手法は、なぜ国内製造業がここまで苦境に陥ったか、それを復活させるためにはどのような仕組みが必要かを以前考えた際に行きついた結論で、だからトランプ氏の思考もよく分かったりする。日本はルールを決める立場になく、また、あまりに自国主義、保護主義が過ぎ、現実的ではないと思い直したものだけど、感情論で強硬策を打てる人物なら、手を出すかもしれない。

価値観に正解がないように、グローバリズムが正しく、保護主義が誤りなど、机上の空論であり、その影響は予測できても、すべての結果を知るものは誰もいない。アメリカによるルール変更のその先には、経済力を増した新興国を主体とした、新たな秩序が確立され、世界経済はさらなる発展を遂げる可能性もある。

アラブの春に始まり、ブレグジット、トランプ大統領誕生と、民主主義のほつれが世界各地で現れ始めた世紀でもある。過去の100年と同様の世界が、これからの100年も続くという保証は、これまでの人類の歴史を見てもどこにもないのだから。

さてさて、これから世界がどのように変わるかを傍観者として楽しみに見つつ、一投資家としては、何かおもしろい先手はないかと考えることとしようかな。

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